(20日 第106回全国高校野球選手権愛知大会 4回戦 豊川12―0岡崎工科=6回コールド) 7点をリードされた四回裏2死三塁。岡崎工科の辻龍斗選手(3年)は3番手としてマウンドに立った。「流れを引き戻すという気持ちだけで投げた」。春の選…

 (20日 第106回全国高校野球選手権愛知大会 4回戦 豊川12―0岡崎工科=6回コールド)

 7点をリードされた四回裏2死三塁。岡崎工科の辻龍斗選手(3年)は3番手としてマウンドに立った。「流れを引き戻すという気持ちだけで投げた」。春の選抜大会出場の豊川を相手に腕を振り、後続の打者を一塁ゴロに打ち取った。

 辻選手は捕手兼投手の「二刀流」だ。投手志望で入部したが、平松忠親監督の勧めで捕手を始めた。平松監督は「朝練もほぼ毎日来て妥協しない」。辻選手自身も「捕手もやることで相手打者をよく見られるようになった」と語る。

 この日も捕手で先発し、投手陣を支えながら、今大会初となった自らのマウンドでは得意の直球で勝負した。

 六回、豊川の強打者モイセエフ・ニキータ選手(3年)に四球を与えて、その後は集中力を欠いた。連打を浴び、最後は3点本塁打を浴びてコールドで敗れた。「悔しいけど、やりきった。投げさせてくれてありがとうございました」。試合後、感謝の言葉があふれた。(川西めいこ)