「阪神0-1広島」(19日、甲子園球場) 阪神は広島に完封負けで3連敗を喫した。先発・村上頌樹投手は8回5安打1失点と力投も援護なく7敗目。痛恨だったのは1点を追う七回、床田に佐藤輝、大山、野口の3連打で無死満塁としたが、坂本が遊ゴロ併殺…

 「阪神0-1広島」(19日、甲子園球場)

 阪神は広島に完封負けで3連敗を喫した。先発・村上頌樹投手は8回5安打1失点と力投も援護なく7敗目。痛恨だったのは1点を追う七回、床田に佐藤輝、大山、野口の3連打で無死満塁としたが、坂本が遊ゴロ併殺、木浪が中飛に終わり、まさかの無得点に終わった。初回無死一、二塁からも主軸が凡退して無得点。デイリースポーツ評論家の藤田平氏は「両チームの差が如実に出た無死一、二塁からの攻撃。意識の違いが勝敗を分けた」と指摘した。

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 頭の中で整理できていないのだろう。どうすれば走者を進められるのか、または得点できる確率を高められるのか。両チームの差が如実に出たのは無死一、二塁からの攻撃。意識の違いが勝敗を分けたゲームだった。

 まず阪神は初回無死一、二塁から森下、佐藤輝、大山のクリーンアップが凡退。特に1軍復帰した森下は何ら変わっていない。体を開きながらバットが遅れて出てくるスイングは相変わらず。結果は右飛だった。簡単に打ち上げては何も始まらない。

 このような状況下で何をすれば得点の確率を高めていけるか。ひとつは安打だろう。次に進塁打を意識した打撃や送りバントだ。

 阪神と対照的だったのが広島の五回の攻撃。無死一、二塁から菊池が犠打を試みた。これが捕手・坂本のミスを誘い満塁に。この場面に関して坂本は素手で捕球し損ねたが、グラブで打球の勢いを殺すように処理しなければならない。そして菊池のゲームの流れを読むベテランならではの『自己犠牲の精神』から決勝点に結びついた。

 そして阪神は七回無死一、二塁から野口の中前打で満塁。このチャンスで意識してほしいのは①安打②犠牲フライ③スクイズ、そして右方向の打撃だ。しかし今度は坂本が遊撃へのゴロを放ち、本塁封殺から一塁に転送されて併殺打。仮に二塁へのゴロだったら結果は違っただろう。

 いずれにせよ、状況に応じた打撃を意識しなければ、走者で塁を埋めるところまで来ても本塁へかえせない攻撃を繰り返してしまうばかり。いま一度、各打者が得点確率を高められる攻撃を整理するべきだろう。