「阪神0-1広島」(19日、甲子園球場) 勝たせてあげたかった。阪神は先発した村上頌樹投手(26)が8回を5安打1失点に抑える129球の熱投も、今季12度目の完封負けで3連敗を喫した。16日・巨人戦(東京ドーム)の才木に続いて援護できなか…

 「阪神0-1広島」(19日、甲子園球場)

 勝たせてあげたかった。阪神は先発した村上頌樹投手(26)が8回を5安打1失点に抑える129球の熱投も、今季12度目の完封負けで3連敗を喫した。16日・巨人戦(東京ドーム)の才木に続いて援護できなかった打線に「ピッチャーそんなん何も悪ないやんか」と、岡田彰布監督(66)の嘆きも止まらない。前半戦も残り2試合。何とかいい形で締めくくりたい。

 フッと息を吐いて、129球目を投じた。村上が矢野をフォークで空振り三振に仕留め、八回は3奪三振で無失点。「何とかリズムを持ってこられるようにと思っていました」。意地の力投。7敗目を責める人は誰もいないが、自分には厳しかった。

 8回5安打1失点。先発としての仕事は十分に果たしたが、勝ち星が遠かった。「1点を粘りきれなかった。そこを粘っていれば、何とかなっていたかもしれない」。試合後は悔しそうな表情を浮かべ、一言目から反省の言葉を紡いだ。

 悔やんだのは両軍無得点の五回。無死から連打を浴びると、坂本の失策で満塁とした。シャイナーは狙い通りの遊ゴロ。二塁での併殺コースだったが、これを木浪がファンブルして、アウトは1個で先制点を与えた。後続は抑えたが、この1点が決勝点。床田相手では重かった。

 難敵の秋山には初回の初球から74キロの超スローカーブで二ゴロ。これには球場もどよめいた。「初球から来るのは、ほぼほぼわかっていた。誠志郎さん(坂本)と相談しながらいきました」。試合前まで対戦打率4割超え。不運な内野安打こそ浴びたが、的を絞らせなかった。

 広島とはすでに今季6度目の対戦。床田とも4度目の投げ合いだった。「変化球もうまく制球できましたし、粘られてもゾーンで勝負できていた」。三回まではパーフェクト。相手左腕よりもイニング数は上回り、被安打数も少なかった。届かなかったのは白星だけ。6月27日に2カ月ぶりの勝利を挙げたが、7月は勝てていない。

 村上の好投もチームは今季12度目の完封負け。0-1の敗戦は今季4度目だ。岡田監督は「別にピッチャーそんなん何も悪ないやんか、ずーっとそうやんかお前」とかばった。課題の貧打を裏付けるように、6年ぶりに12試合連続本塁打なし。不名誉な記録が並んだ。

 貯金は「1」となり、前半戦の貯金ターンはお預け。広島が首位に浮上し、2・5ゲーム差で追いかける。村上にとっては、これが前半戦のラスト登板。昨季は前半戦で貯金を作ったが、今季は4つ負け越している。「後半戦は巻き返していけるように。最終的にプラスで終われるようにしていきたい」。逆襲へ。村上の本領発揮も、まだまだここからだ。