「阪神0-1広島」(19日、甲子園球場) 「3番・ライト・森下」のコールに甲子園が沸く。虎党が待っていた男が帰ってきた。連敗中の嫌な雰囲気を変えてくれ-。ただ、そんな期待もむなしく、悔しさの募る復帰戦となった。 6日に出場選手登録を抹消さ…

 「阪神0-1広島」(19日、甲子園球場)

 「3番・ライト・森下」のコールに甲子園が沸く。虎党が待っていた男が帰ってきた。連敗中の嫌な雰囲気を変えてくれ-。ただ、そんな期待もむなしく、悔しさの募る復帰戦となった。

 6日に出場選手登録を抹消され、7日の日本生命とのプロアマ交流戦(鳴尾浜)ではソロ本塁打を放った。鳴尾浜の残留練習でも打ち込みを敢行。その後の2軍戦では6打数2安打、打率・333を記録し、この日1軍に帰ってきた。

 「結果を残すだけじゃないですか」と試合前には強く言い切った。相手先発の床田には「いいピッチャーなんで、簡単に点は取れないと思う。一回のチャンスをものにできるかできないか。そういう場面で回ってきたら必ずランナーを返したい」と意気込んだ。

 すると望んだ場面はいきなり巡ってきた。初回、近本、中野の連打で無死一、二塁。その初球だった。左腕の144キロ外角低め直球に手を出し、結果は右飛で走者は動けず。好機を拡大することも、先制することもできなかった。四回は先頭で二ゴロ。六回2死一塁では右飛に打ち取られた。ただ、最終打席で見せ場はつくった。

 1点を追う九回先頭。守護神・栗林の3球目、146キロど真ん中直球をフルスイングした。打球はぐんぐん伸び、左翼を越えるかと思われた。しかし、左翼・上本が後方へグラブを伸ばしながらダイビングキャッチ。「いい形では打てました」。手応えのあった当たりだったが、不運にも好守に阻まれた。

 2週間ぶりの1軍戦も、4打数無安打。岡田監督は「そらもう1軍来たら結果やからな。そういうことやんか。どうですか言うても4打数0安打で良かったですって俺よう言わんで。そういうことやろ。1軍のゲームやで」と厳しい言葉を並べた。先制機を逃し、その後も好投の村上を援護できなかった。「点を取れないと勝てないので明日は(点を)取りたいと思います」と森下。悔しさを力に変え、次戦は必ず結果を出す。