(19日、第106回全国高校野球選手権東東京大会4回戦 攻玉社1―10共栄学園) 攻玉社の丸山和響(わきょう)(3年)は、途中入部ながら主将になった。チームを引っ張る一方、自ら投打で活躍した夏は19日、終わった。 中高一貫校の攻玉社。中学で…

(19日、第106回全国高校野球選手権東東京大会4回戦 攻玉社1―10共栄学園)

 攻玉社の丸山和響(わきょう)(3年)は、途中入部ながら主将になった。チームを引っ張る一方、自ら投打で活躍した夏は19日、終わった。

 中高一貫校の攻玉社。中学では野球部に入っていたが、中学3年の夏の大会が終わると、野球への熱が冷めた。高校では帰宅部を選んだ。

 ただ、野球への思いは消えていなかった。プロ野球の中継を見たり、たまに父や友達とキャッチボールをしたり。次第にそれだけじゃ物足りなくなった。「やっぱり野球がやりたい」と昨年5月、野球部に入部した。

 グラウンドで久しぶりに白球を追う日々。また、仲間と野球ができるのが楽しく、うれしかった。献身的な姿勢が評価され、昨夏の新チーム始動後、主将に任命された。

 外野手と投手の兼務で挑んだ今年の夏。期待に応え、躍動した。

 初戦の初回、いきなり外野席のネットに直撃する本塁打を放ち、チームに勢いを与えた。延長十二回、3時間を超える激闘となった板橋との3回戦では八回に登板し、2回無失点。打っても、九回裏1死から左越え適時打で、6点差からの逆転劇につなげた。

 19日の相手は、昨夏優勝の共栄学園。それでも、「相手が去年の優勝校だろうと関係ない」と臆することはなかった。

 二回裏、2点を奪われた場面でマウンドに立つと、直球とカーブを使い分け、後続を断った。だが、共栄学園打線は強かった。板橋戦の疲労が残っていたこともあり、三回につかまり、5失点。降板した。コールド負けが迫った七回表2死の場面で回ってきた打席、決めていたフルスイングで打ち返した球は投ゴロに。試合終了のサイレンが鳴った。

 試合後、丸山の表情はすっきりとしていた。「最初で最後だったけど2回も勝てて、いい大会になった。野球をやりきれた」。そんな丸山に遠藤慎也監督は言葉をかけた。「高校野球、やって良かったな」=大田(佐野楓)