(19日、第106回全国高校野球選手権宮崎大会3回戦 都城6―1妻) 四回表、妻の先発日高翔太投手(3年)は、交代する藤代大翔(やまと)投手(同)に声をかけた。「ごめん」。満塁でマウンドを降り申し訳なかった。 小学校から同じチームで、高校…

 (19日、第106回全国高校野球選手権宮崎大会3回戦 都城6―1妻)

 四回表、妻の先発日高翔太投手(3年)は、交代する藤代大翔(やまと)投手(同)に声をかけた。「ごめん」。満塁でマウンドを降り申し訳なかった。

 小学校から同じチームで、高校で交互に背番号1をつけた「Wエース」。前夜も2人でラインを交わし、都城の打者は「初球から振ってくる」と分析し合った。

 日高投手は、2回戦でシードの日章学園を破った藤代投手の投球に刺激を受け、「やってやる」とこの日のマウンドに立った。ただ、公式戦の先発は初めて。四回は前の回の攻撃で出塁して生還した「疲れが出た」。

 藤代投手も「先発でマウンドに立つより緊張感がすごかった」。いきなり暴投で失点。その後も小刻みに点を奪われた。

 高校では最初、三塁手になるつもりだった。「翔太がいなかったら投手になっていなかった」。日高投手も「2人で投手をしていなかったら成長はなかった」と話した。

 今後は別の道に進む。「楽しかった」「ありがとう」。言わなくても気持ちは伝わっている。(中島健)