パリ五輪の開幕が1週間後に迫った19日、国際オリンピック委員会(IOC)が国連とともに呼びかける「五輪休戦」の期間が始まった。だが、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が止まる気配はない。「平和の祭典」…

 パリ五輪の開幕が1週間後に迫った19日、国際オリンピック委員会(IOC)が国連とともに呼びかける「五輪休戦」の期間が始まった。だが、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が止まる気配はない。「平和の祭典」としての五輪は壁に直面している。

 パリ中心部のマドレーヌ教会では19日午前、五輪休戦に合わせて平和を祈るミサが開かれ、IOCのバッハ会長やパリのイダルゴ市長ら大会関係者が出席した。

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇はミサに合わせて、「世界の平和が深刻に脅かされている困難な時期に、誰もが休戦を尊重することを切に願う」とのコメントを発表した。

 五輪休戦は、都市国家が休戦協定を結んで開催した古代ギリシャの五輪に由来している。IOCは旧ユーゴスラビアの内戦下で開かれた1992年夏のバルセロナ大会で初めて五輪期間中の戦闘停止を提唱し、旧ユーゴ選手の参加を実現。国連総会では1993年以降、五輪の開催に合わせて「五輪休戦決議」が採択されている。