トータルゴルフフィットネス 管理栄養士の中島です。今回のコラムは前回に引き続き『熱中症対策』に関わる内容です。変わらずに暑い日々が続いております。皆さんはラウンド時の熱中症対策として『何を』準備していますか?水筒や氷嚢、小型の扇風機など様…

 トータルゴルフフィットネス 管理栄養士の中島です。

今回のコラムは前回に引き続き『熱中症対策』に関わる内容です。

変わらずに暑い日々が続いております。皆さんはラウンド時の熱中症対策として『何を』準備していますか?

水筒や氷嚢、小型の扇風機など様々なものが販売されていますが、今回はその中でも特に皆さんにおすすめの商品をご紹介します。

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『アイススラリー』

皆さんはこの商品をご存知でしょうか。

大塚製薬さんの商品で、ポカリスエットの成分をそのままスラリー状(※液体と細かい氷の混合物を示す)にしたものです。

数年前から熱中症対策の商品として人気を集めており、私も様々なスポーツの現場で活用される様子を見てきました。今回は私がおすすめする点を3つに絞って紹介します!

熱中症を『未然に』防ぐ

熱中症は対策を十分に行うことが出来れば100%防ぐことができると言われています。

そしてこのアイススラリーは『プレクーリング』を謳っています。

皆さんは

・熱中症になりそう

・暑くてなんだか体調が悪い

この様に感じてから急いで水分を摂った経験がありませんか?

ヒトが脱水を感じた時、体内は既に脱水により多くのダメージを受けており、パフォーマンスは低下しています。これら身体への影響が出る前に、水分を補給することが重要です。プレクーリングは、作業やスポーツをする前に事前に補給しておくことで、予め身体を冷却するという考え方です。事前に深部体温を下げておくことが、その後の体温上昇に伴う熱中症リスクを抑える役割を持ちます。

ではこの役割は水や氷ではいけないのでしょうか?これらも身体を冷やすことは可能ですが、氷を飲み込むことは現実的ではありませんし、糖質や電解質など水意外に身体に欠かせないものを含んでいません。その点、アイススラリーはスムージーの様な流動性のある氷であることから水よりも冷却された温度のものを、その他必要な栄養素と一緒に摂取することが出来る点が優れていると言えます。

身体にとって『吸収』し易い

先ほども述べましたが、熱中症を防ぐ為には、水だけでなく塩分や糖分も必要です。

アイススラリーは、糖質21.3g、塩分(食塩相当量)0.11gを含み、その他にも電解質(カリウム、カルシウム等)を含みます。これらは体内で様々な役割を持ち、筋肉の収縮にも必要なことから、不足するとパフォーマンスに関わります。さらに電解質は、水分の吸収力と、その水分を体内で保持する能力を持ちます。これらを含むことで身体に吸収され易い工夫がなされています。

ラウンド中に摂取するものを考える時、吸収のし易さは重要です。運動中は消化管の活動が抑制されるため、通常よりも身体は栄養を吸収しづらい状態です。水を飲むよりも、アイススラリーは水分の吸収をし易いことが分かっています。

飲みきりサイズ

アイススラリーの内容量は100gと一度に飲み切り易い量です。

熱中症意外に、夏に怖いものの一つに『食中毒』が挙げられます。一度開封して空気に触れたもの、人が口をつけたものは、菌が繁殖し易くなります。飲みきり、あるいは短い時間で飲み切れることの出来るサイズのものを選ぶことで、食中毒のリスクを大幅に減らすことが可能です。

アイススラリー以外にも夏のラウンドで補食を持ち歩く際には、

・保冷機能を持つものにしまう

・添加物を避けすぎない(無添加のものは保存が効かないものが多い)

・時間が経ったものは食べない

など、できることを気をつけましょう。

それぞれの栄養素における目標値には個人差があり、個々の目標や身体の状態によって適正値は変化します。

引き続き様々な観点から、ゴルファーの為の栄養学についてご紹介させていただきます!


[文:トータルゴルフフィットネス – ゴルファーのための会員制フィットネスクラブ]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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中島 遥

管理栄養士 パーソナルトレーナー
長野県出身。神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科にて管理栄養士、栄養教諭の資格を取得。卒業後は小学校で管理栄養士として働きながら、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を取得。
現在、トータルゴルフフィットネスでは、「食事と運動」両方の面からお客様の望む身体作り、パフォーマンス向上に貢献できるよう努めている。