(18日、第106回全国高校野球選手権千葉大会4回戦、木更津6―1暁星国際) 高校1年のとき、暁星国際の入寮日に集まったのは主将の原隼大(じゅんだい)(3年)と背番号1の山崎空二朗(くうじろう)(3年)の2人だけだった。 中学3年の夏に行…

 (18日、第106回全国高校野球選手権千葉大会4回戦、木更津6―1暁星国際)

 高校1年のとき、暁星国際の入寮日に集まったのは主将の原隼大(じゅんだい)(3年)と背番号1の山崎空二朗(くうじろう)(3年)の2人だけだった。

 中学3年の夏に行われた体験会。そこには15人ほどが来ていた。山崎は2学年上の中学の先輩に暁星国際に行った人がいた。その人から「20人くらいは入るらしい」と聞いていた。

 山崎は「だまされた、2人じゃ野球もできない」と思った。1、2週間ほどは「放心状態」だったという。

 山崎と原で「お前が投げて、俺が守る」「どちらかが折れたら、どちらもやめる」と約束した。

 その後3人増え、5人となってからも、同学年の絆は変わらなかった。

 最後まで、チームの空気が暗くなることはなかった。この日控えだった山崎も声を出し続けた。

 九回表、走者を背負うと、三塁手の原らがマウンドに集まった。「ここで取られたら、終わり。最後の勝負だ」。原はそう声をかけた。

 無失点に抑えたその裏、先頭の吉村宗太郎(3年)が二塁打を放ったが、つなげなかった。

 もっとみんなで野球をやりたかった。でも、悔いはない。原は「3年生に『これまでありがとう、これからもよろしく』と伝えたい」。=柏の葉(杉江隼、田辺詩織)