(18日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会5回戦 旭丘0―11横浜) 創部初のベスト16に進んだ旭丘の主将、石川嘉紋(3年)は、11点を追う五回表に代打で打席に立った。バットは空を切ったが、「悔しいけど、3年間やった成果。思いっきり振…

(18日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会5回戦 旭丘0―11横浜)

 創部初のベスト16に進んだ旭丘の主将、石川嘉紋(3年)は、11点を追う五回表に代打で打席に立った。バットは空を切ったが、「悔しいけど、3年間やった成果。思いっきり振れました」。

 春まで背番号7だったが夏は17。「自分が下を向いてはいけない」と、三塁コーチャーとして明るく指示を出し続け、二回裏1死二、三塁の場面では伝令にも走った。

 スタンドで見守る父、俊雄さん(52)は、練習への送り迎えの車中、仲間や指導者から相談の電話を受ける息子の姿を何度も見てきた。石川は「自分が納得して、相手も納得するまで深掘りして話すと、1時間以上経っちゃうこともあった」という。とことん向き合う主将の姿に、いつしか仲間から「あいつを勝たせる」という言葉が出るようになった。

 名門横浜にコールド負けしたものの「甲子園に行ってください」と心から伝えられた。「僕たちが戦ってきた相手の分まで頑張ってほしい」(手代木慶)