阪神の岡田彰布監督(66)が18日、帰阪する東京駅で取材に応じ、球宴前の前半戦最終カードとなる19日からの広島戦(甲子園)に向けて「普通にやったらええだけの話やん。競ったゲームになったら、野球が下手な方が負ける」と改めて「普通」を強調した…

 阪神の岡田彰布監督(66)が18日、帰阪する東京駅で取材に応じ、球宴前の前半戦最終カードとなる19日からの広島戦(甲子園)に向けて「普通にやったらええだけの話やん。競ったゲームになったら、野球が下手な方が負ける」と改めて「普通」を強調した。聖地で就任後2年連続の貯金ターンを決める。

 ビジター6連戦を終えて帰路に就く岡田監督は、どこか浮かない表情だった。中日、巨人に2カード連続負け越し。1週間前に「4」あった貯金は「2」に減り、4位に沈んでいる。前半戦は残り3試合。一つ勝てば貯金ターンが確定する。このまま貯金を保持したまま折り返したい。そう水を向けられた指揮官は「そらそうや」と偽らざる本音を漏らした。

 巨人には先勝したものの、その後は2連敗。いずれも1点差で宿敵の後塵(こうじん)を拝した。要因となったのが「普通の野球」を実行できなかったことだった。サインを出してもスタートを切らない消極的な走塁。けん制死やヒットエンドランのミスも散見した。

 「エンドランはバット振るんやろ?振れへんねんから。そんなん野球じゃないよ」

 奇策を講じているわけではない。「何にもしてない。やってほしいことなんかあれへんよ、はっきり言って。普通にやったらええだけの話やん」と「普通」を強調した。

 チーム防御率2・30はリーグ2位、同打率・224はリーグ最下位の“投高打低”では接戦となることは必定。それだけに「普通」でないミスが命取りとなる。

 「やっぱり競ったゲームになったら、それで負けるいうことや。野球が下手な方が負けるいうことや、そういうことや。バントにしろエンドランにしろ、一回でサイン分かりゃええことやん。それができへんから(負ける)」と語気を強めた。

 広島との今季対戦成績は6勝6敗1分けの五分だが、甲子園に限れば1勝4敗と分が悪い。さらに相手ローテには床田、大瀬良、九里と好投手が控える。それでも指揮官は「ピッチャーもええの来るけどな。誰が来ても一緒よ、はっきり言って。みんな当たってるピッチャーやからな」と余裕を漂わせる。2位・広島と1・5差、首位・巨人とも2・5差。3連戦を終えた後、再び大きく順位を上げている可能性も十分ある。ただ、全ては「普通の野球」を遂行することが大前提となる。