(18日、第106回全国高校野球選手権島根大会2回戦 大社10―0松江高専) 強豪との初戦。松江高専のエース左腕・花田朋樹投手(3年)には磨き上げてきた「武器」があった。 二回、連打を浴びて3点を失い、なお2死満塁。だが、ここで「武器」を使…

(18日、第106回全国高校野球選手権島根大会2回戦 大社10―0松江高専)

 強豪との初戦。松江高専のエース左腕・花田朋樹投手(3年)には磨き上げてきた「武器」があった。

 二回、連打を浴びて3点を失い、なお2死満塁。だが、ここで「武器」を使う。三塁走者が飛び出したのを見逃さずに牽制(けんせい)球を送り、三塁走者を挟殺。三回も、「出た!」のかけ声に即座に反応し、遊撃手にボールを送り、飛び出していた二塁走者を挟殺で仕留めた。「あれで冷静さを取り戻せた」

 この春、11人だったチームは1年生9人が入部し20人に。それまでの打つだけ、守るだけの練習から、走者を置いた実戦練習ができるようになった。中西大輔監督は、「まさにあの牽制は、人数が増えてできた練習の成果だった」。

 花田投手は四回途中、左足のふくらはぎに違和感を感じ、マウンドを後輩に託した。「(自分が)もっとがんばっておけば、楽な継投をさせてあげられた。エースとしてふがいない」。試合後、唇をかんだ。(堀田浩一)