(18日、第106回全国高校野球選手権富山大会2回戦 魚津工7―8高岡南) 「高めの球だったが、打った瞬間、わかった」。1―6の六回表、魚津工の4番・斉藤礼恩(れおん)主将(3年)が右越えの2点本塁打を放つ。大会初戦に続き、高校通算22本…

 (18日、第106回全国高校野球選手権富山大会2回戦 魚津工7―8高岡南)

 「高めの球だったが、打った瞬間、わかった」。1―6の六回表、魚津工の4番・斉藤礼恩(れおん)主将(3年)が右越えの2点本塁打を放つ。大会初戦に続き、高校通算22本目というパワーで、仲間を鼓舞した。

 183センチ、118キロの体つき。ユニホームに縫い付けられた背番号3が小さく見える。左打席で豪快に振り抜く。低反発のバット導入に合わせ、打球が外野の頭を越えるように振る力を鍛えた。冬は筋力トレーニングにも励んだ。

 入善と連合チームを組んだ春の大会をへて、夏は単独で出場。チームは八、九回にも連打などで計4点を加え、1点差まで食い下がった。主将としてチームに声をかけ続けたが「声は後輩に負けた」と正直に話す。「1、2年生は皆いい選手。次はいいところをめざしてほしい」

 沢辺剛監督は「よく練習していたから、終盤、絶対打つと思った」とチームをたたえた。2試合連続本塁打の斉藤主将については「芯に当てる練習をしていた。富山県を代表する打者。そう思いませんか」と褒めた。

 斉藤主将は試合後、保護者らに感謝をこう伝えた。「3年間で一番いい夏を過ごせた。後輩も打てたので、来年も頑張ってほしい」

 涙はなく、大きな胸を張った。(小西良昭)