(18日、第106回全国高校野球選手権熊本大会3回戦、ルーテル学院6―5熊本) 熊本のマウンドを守ったのは、堤晋之介(3年)、熙之介(ひろのすけ)(2年)の投手兄弟だった。先発したのは背番号6の兄。背番号1の弟は遊撃手でスタートした。 4…
(18日、第106回全国高校野球選手権熊本大会3回戦、ルーテル学院6―5熊本)
熊本のマウンドを守ったのは、堤晋之介(3年)、熙之介(ひろのすけ)(2年)の投手兄弟だった。先発したのは背番号6の兄。背番号1の弟は遊撃手でスタートした。
4月の熊本市内大会でルーテル学院と対戦したとき、晋之介投手は登板しておらず、池本孝政監督(40)が今大会の組み合わせが決まったときから温めていたプランという。
晋之介投手は落差のあるチェンジアップを決め球に、直球やほかの変化球も低めに集めた。弟の「ここ大事だよ」「集中しろよ」の声を背に、相手打者に的を絞らせない、七回まで被安打1、無失点の快投を続けた。
炎天下での投球に疲れが出た八回、集中打を浴びて逆転されたが、九回に味方が再逆転すると、弟と守備位置を交代してマウンドを託した。
熙之介投手は力強い直球で押し、粘る相手に決定点を許さなかった。
延長十一回までもつれた試合で、あと一歩及ばなかったが、大熱戦にスタンドからは大きな拍手が送られた。
幼い頃のキャッチボールからここまで、兄弟は一緒に野球を続けてきた。兄は「一緒のグラウンドにいてくれて頼もしかった。あと少し成長して、僕たちが届かなかった甲子園に行って欲しい」。「次の夏」が残る弟たちに夢を託した。(吉田啓)