(18日、第106回全国高校野球選手権青森大会準々決勝、青森山田6―1八戸学院光星) 春の選抜出場校同士によるライバル対決で、青森山田の4番、原田純希が主役になった。2打席連続の2ランを放ち、八戸学院光星の大会3連覇を阻んだ。 八戸学院光星…

(18日、第106回全国高校野球選手権青森大会準々決勝、青森山田6―1八戸学院光星)

 春の選抜出場校同士によるライバル対決で、青森山田の4番、原田純希が主役になった。2打席連続の2ランを放ち、八戸学院光星の大会3連覇を阻んだ。

 八戸学院光星の先発は、甲子園での経験が豊富な好左腕の洗平比呂。序盤は投手戦の様相だったが、四回、試合が動いた。

 無死一塁で、原田が左打席に立つ。カウント2-0から、スライダーを大きく空振りした。「体が開いているな」。そう感じて修正して臨んだ次の1球は同じ球が甘めに来た。今度はどんぴしゃのタイミングで、捉える。特大アーチが、右翼席に吸い込まれた。

 続く五回も、代わった佐藤凌の変化球を狙った。今度はライナー性の打球をセンターに返す。「センターオーバーかな」。ところが、自身の想像を大きく上回る打球がバックスクリーンに突き刺さる。リードを4点に広げた。

 普段は口数の少ない、おとなしい性格だが、ダイヤモンドを一周してベンチへ戻ると満面の笑みで仲間とハイタッチした。「絶対に勝たないといけない相手だった」と振り返る。

 青森山田と八戸学院光星は平成以降、青森の高校野球をリードしてきた。ただ、近年の実績には差がある。

 2010年以降、八戸学院光星は2年連続で準優勝した11、12年など計8回、夏の甲子園に出場した。一方で、青森山田の出場は17年のみ。昨夏は青森大会準決勝で八戸学院光星と対戦し、0―5で屈した。

 現チームは、そんな流れを覆す躍進ぶりだ。秋の公式戦は2度対戦し、いずれも勝った。県大会決勝は7-4、東北大会の決勝は3―0、それも右腕・桜田朔のノーヒットノーランだった。16年以来となる春の選抜切符をつかみ、8強に進出した。

 そしてこの夏。並々ならぬ思いで臨んできた八戸学院光星を、またしても退けた。「相手はライバル。洗平からしっかり打てたことは自信になった」と原田。7年ぶりとなる夏の甲子園出場へ、大きな壁を越えた。=はるか夢(大宮慎次朗)