(18日、第106回全国高校野球選手権広島大会3回戦 呉9―2西条農) 対戦校の監督に、恩を返す一打だった。 西条農は三回、1点を先取して、なお2死二塁の好機が続いた。 相手、呉の先発は鋭いスライダーを投じるエース・九十九裕貴投手(3年)…

 (18日、第106回全国高校野球選手権広島大会3回戦 呉9―2西条農)

 対戦校の監督に、恩を返す一打だった。

 西条農は三回、1点を先取して、なお2死二塁の好機が続いた。

 相手、呉の先発は鋭いスライダーを投じるエース・九十九裕貴投手(3年)。西条農の2番打者・松島雄斗選手(同)は初回の1打席目で、球筋をじっくり見ようと、ファウルで粘って8球投じさせた。

 そして、この好機での打席。投球を見極め、少し甘く入った直球を振り切った。白球は外野の頭を越え、左中間の奥深くに。2点差に広げる適時三塁打となった。

 野球にまっすぐ向き合う姿勢は、西条農に入学した当時の三浦謙二郎監督の背中に教わった。試合はその後、自身のエラーも絡んで逆転され、8回コールド負け。4回戦に進んだ呉をこの日指揮したのが、三浦監督だった。

 松島選手は「守備でねばれなかった」と悔やんだが、「打って恩返ししたかったので、良かった」。(根本快)