「DeNA0-3広島」(17日、横浜スタジアム) 広島・森下暢仁投手は絶叫していた。「いけー!!」。七回、自らの7勝目をたぐり寄せるシャイナーのアーチが横浜の夜空にかかった。「打ってくれと思ってみていた」。眠っていた助っ人の一振り。右腕自…

 「DeNA0-3広島」(17日、横浜スタジアム)

 広島・森下暢仁投手は絶叫していた。「いけー!!」。七回、自らの7勝目をたぐり寄せるシャイナーのアーチが横浜の夜空にかかった。「打ってくれと思ってみていた」。眠っていた助っ人の一振り。右腕自身も「まさか」と言いかけたこれ以上ない援護に感情が爆発した。

 味方打線に訴えかけるように何度もピンチをしのいで気迫を見せた。難攻不落の東との投手戦。「良い投手だと言うのは分かっていた」。1点勝負と自覚していた中で、7回無失点で投げ抜いた。6安打を浴びながらも長打はなし。「会沢さんとコミュニケーションを取りながらテンポ良くできたのと、単打で終われたことが良かった」と勝因を自己分析した。

 この日は計3度、得点圏に走者を背負った。0-0の六回は3安打で2死満塁とされるも、度会を内角低めの149キロ直球で空振り三振。「内の真っすぐを投げたいと思っていた。厳しくなくても抑えられるんじゃないかという気持ちでいった」。内に秘める強い気持ちをボールに乗せて、ピンチを脱し、グラブを強くたたいて見せた。

 この投球に新井監督も「森下のピッチングがシャイナーのホームランを呼んだのかなと。それくらい素晴らしかった」と絶賛した。昨季の最多勝投手に投げ勝ち、「ああいう形で自分たちが勝ててよかった」と右腕。頼もしさの増す背番号18がまた一つエースへの階段を上った。