(16・17日、第106回全国高校野球選手権山梨大会2回戦継続試合、韮崎工0―5帝京三) 天候が回復して17日は八回表から再開した継続試合。韮崎工のエース樋口創太投手(3年)は立ち上がり、低めに球を集めて帝京三の4番打者を三塁ゴロに仕留め…

 (16・17日、第106回全国高校野球選手権山梨大会2回戦継続試合、韮崎工0―5帝京三)

 天候が回復して17日は八回表から再開した継続試合。韮崎工のエース樋口創太投手(3年)は立ち上がり、低めに球を集めて帝京三の4番打者を三塁ゴロに仕留めると、4人でこの回を打ち取った。雨で投球が乱れた前日から一転、見事な立ち直りを見せた。

 前日、五回までは見応えのある投手戦だった。味方チームは、帝京三の橋本建投手(3年)から三回の1安打のみに抑えられた。一方、自らも打者17人に2四球を与えただけの無安打無得点だった。

 だが六回、やんでいた雨が強まると樋口投手の投球が一変する。「リリースする瞬間にボールが滑って、思ったところに行かなくなった」

 六回、3安打に暴投が絡み、2点を与えてしまう。七回にも4安打に二つの暴投が絡んで3点を奪われた。「5点はでかい。かなりきつかった」。流れを変えられないまま、七回裏を終えて継続試合になった。

 「あしたの八、九回は0、0で抑えよう。あとはみんなを信じて投げるだけ」。帰宅後、自分にそう言い聞かせた。

 「この3年間を全部出し切ってこい」。一夜明け、原誠二監督の言葉を受けて八回表のマウンドに上がると、イメージ通りに2回を無得点に抑えた。「日ごろの練習が自信につながっていた」

 打撃でも意地を見せた。八回裏、甘く入ったスライダーをセンター返しにして、チーム3本目の安打にした。

 「六、七回は不運だったけれど、しっかり切り替えて3年間の成果を出すことができた」。2日間わたった試合に敗れはしたが、悔いはない。(豊平森)