(17日、第106回全国高校野球選手権大阪大会2回戦 大阪学院大1―2同志社香里) 「こんなところでは終われない」 2点を追う八回表1死、大阪学院大の4番、中山悠紀選手(3年)は焦っていた。 春季府大会で優勝し「王者」として臨んだ初戦。同…

 (17日、第106回全国高校野球選手権大阪大会2回戦 大阪学院大1―2同志社香里)

 「こんなところでは終われない」

 2点を追う八回表1死、大阪学院大の4番、中山悠紀選手(3年)は焦っていた。

 春季府大会で優勝し「王者」として臨んだ初戦。同志社香里のエース北野勇斗選手(3年)をとらえきれず、ここまで無安打。チームもわずか2本に封じられていた。

 「4番としてチームを勢いづけなければ」

 自分を鼓舞して打席に入る。直球を振り抜くと打球は左前へ落ちた。

 4番打者の安打をきっかけに、チームは勢いづいた。後も続き、3連打に。中山選手は、清田銀二選手(3年)の適時打で本塁を踏んだ。

 もともと投手として入部したが、打撃の良さを買われて三塁手に転進した。180センチと恵まれた体格を生かせるよう、打撃フォームを改善した。昨秋から4番に起用された。

 春季府大会の4回戦では履正社相手に、走者一掃の適時打を放ち3打点。決勝の興国戦でも勝ち越し打を放つなど、チームの主軸を担った。

 八回に4番の意地を見せた中山選手。だが、追い上げはここまでだった。

 「まだ実感がないです」。試合終了後、中山選手はぼうぜんと立ち尽くしていた。(岡田真実)