(17日、第106回全国高校野球選手権佐賀大会3回戦 唐津商1―3佐賀農) 「ここは勝負だ」「気を抜くな」。唐津商の三塁手、加茂翔夷主将(3年)は、マウンドに立つ木本夢翔投手(2年)に盛んに声をかけた。唐津商は「木本投手のリズムで勝ってき…

 (17日、第106回全国高校野球選手権佐賀大会3回戦 唐津商1―3佐賀農)

 「ここは勝負だ」「気を抜くな」。唐津商の三塁手、加茂翔夷主将(3年)は、マウンドに立つ木本夢翔投手(2年)に盛んに声をかけた。唐津商は「木本投手のリズムで勝ってきたチーム」(知念洋之監督)。その2年生エースを支えてきたのが堅い守備陣だ。

 中でも要が、仲間に「守備職人」と呼ばれる加茂主将。この日も、ゆるいゴロを猛ダッシュしてつかむと、ジャンプしながら一塁に送球してアウトにするなど、難しいゴロを処理し、投手を助けた。「自分は守備が売り。しっかりさばけてよかった」

 ただ、八回の佐賀農の本塁打は「打たれた瞬間、『いった』と思った」と、打球を見送るしかなかった。

 試合後、野球部での生活を振り返って涙ぐんだが、「悔いはありません」と声を振り絞った。(小陳勇一)