(17日、全国高校野球選手権熊本大会3回戦 熊本国府5―2翔陽) 「絶対打たれない」。七回表2死二塁。翔陽の西村俊哉投手(3年)は、熊本国府の主軸の内角に、思いを込めた直球を投げ込み、空振り三振にとって後続を断った。 相手は選抜出場を果た…

 (17日、全国高校野球選手権熊本大会3回戦 熊本国府5―2翔陽)

 「絶対打たれない」。七回表2死二塁。翔陽の西村俊哉投手(3年)は、熊本国府の主軸の内角に、思いを込めた直球を投げ込み、空振り三振にとって後続を断った。

 相手は選抜出場を果たした、今大会第1シードの強豪。同点に追いつかれた直後だった。ただ流れは引き寄せられず、その後八回の先頭打者に三塁打を打たれ、降板した。「体力が続かず、思うような球が投げられなくなっていた」。後に託したが、熊本国府の底力で突き放された。

 児玉豊監督は「序盤の接戦、先制はプラン通り。西村もしっかり気持ちを込めて投げてくれた」。ただ序盤からの度重なる攻撃のプレッシャーに最後まで持ちこたえるのが難しかった。

 チームは相手投手陣を想定した打撃練習も繰り返し、初戦の戦い方も研究。自らも「手を出してこないインコースをどんどん攻めればいける」と考えて実践した。7回を投げ9奪三振。甲子園出場校と渡り合えることを体現した。

 だが、好投だったと記者が伝えると「勝ちたかった」。「相手に比べて、体力も精神力も制球力も足りなかった。後輩たちにはこの差を埋めて甲子園に行ってもらいたい」と後を託した。(築島稔)