(17日、第106回全国高校野球選手権滋賀大会2回戦 玉川5―4大津商) ベスト8の壁を越える――。大津商の丸尾悠斗主将(3年)は、昨夏に先輩と交わした約束を胸に練習に励んできた。 1年のときから試合に出ている。昨夏の滋賀大会は、3回戦で…

 (17日、第106回全国高校野球選手権滋賀大会2回戦 玉川5―4大津商)

 ベスト8の壁を越える――。大津商の丸尾悠斗主将(3年)は、昨夏に先輩と交わした約束を胸に練習に励んできた。

 1年のときから試合に出ている。昨夏の滋賀大会は、3回戦で八幡商に延長タイブレークの末に敗れ、8強まであと一歩のところで涙をのんだ。

 新チームは最初のころはバラバラだったが、仲間たちで支え合ってチームをつくっていった。春の県大会では近江兄弟社を破り、自信をつけて「最後の夏」に臨んだ。

 迎えた初戦。春8強の玉川を相手に、序盤から流れをつかんだ。丸尾主将は三回に四球で出塁すると盗塁で好機を広げ、2点目のホームを踏んだ。四回には4点目を奪う適時打を放った。

 だが、中盤に試合をひっくり返された。1点を追う九回表1死で回ってきた打席。直球を右方向に運び、滑り込んだ二塁上で拳を掲げたが、後続が打ち取られた。

 「最後まで自分たちの野球ができた」。目を赤くして言った。この日対戦した相手エースは、SNSで知り合った友だちだった。試合終了後に近寄り、「俺らの分もがんばってくれよ」と思いを託した。(仲程雄平)