大リーグのオールスター戦は16日(日本時間17日)、レンジャーズの本拠地、米テキサス州アーリントンのグローブライフ・フィールドで行われ、4年連続出場の大谷翔平(ドジャース)はナ・リーグの「2番・指名打者」で先発し、三回の第2打席で右中間に…

 大リーグのオールスター戦は16日(日本時間17日)、レンジャーズの本拠地、米テキサス州アーリントンのグローブライフ・フィールドで行われ、4年連続出場の大谷翔平(ドジャース)はナ・リーグの「2番・指名打者」で先発し、三回の第2打席で右中間に先制の3点本塁打を放った。オールスター戦で本塁打を放つのは自身初。日本選手の一発は2007年にランニング本塁打を放ったイチロー(マリナーズ)以来2人目。

 一回の第1打席は四球、五回の第3打席は空振り三振だった。七回に代打を送られ、2打数1安打3打点だった。

 大リーグ1年目で初選出の今永昇太(カブス)は四回、ナ・リーグの4番手で登板し、三者凡退に抑えた。

 試合はア・リーグが5―3でナ・リーグに勝利。オールスター戦の成績はア・リーグの48勝44敗2分けとなった。五回に決勝2ランを放ったジャレン・デュラン(レッドソックス)が最優秀選手(MVP)に輝いた。

 試合前にはオールスター戦期間中の恒例イベントとなっているレッドカーペットショーがあり、大谷は妻と参加した。(アーリントン=遠田寛生)

■お祭りでも見失わない、自分のスタイル

 大谷翔平が打った瞬間、場内は大歓声に包まれた。誰もが本塁打と分かる当たりだった。ともに無得点で迎えた三回無死一、二塁、2ボールからの3球目。真ん中に甘く入ってきたスプリットを見逃さず、右中間にたたき込んだ。4度目の出場にして球宴初本塁打。味方が待つ三塁ベンチに向かって両手を振りながら、笑顔でベースを回った。

 お祭りの中でも自分のスタイルを見失うことはない。一回はストライクゾーンの内外に厳しく振られながらも、フルカウントから四球を選んだ。きわどい外角直球でバットを振ってもおかしくなかったが、自信を持って見送った。

 ドジャースに移籍して1年目の今季、リーグ1位の29本塁打を放ちながら、打率3割1分6厘も同2位と大崩れしない打撃が光る。その要因が「自身のストライクゾーン」への意識だ。

 「野球を始めた時からボール球は振りたくない、ストライクだけを振りたい、というのがバッターだと思う。その作業だけをみんな集中してやっている。シンプルですけど。そのために色々と工夫しないといけない」

 ボール球に手を出さない。基本に忠実だが、難しい。大谷はそれを最高峰の舞台で続けることができている。(アーリントン=遠田寛生)