「DeNA(降雨中止)広島」(16日、横浜スタジアム) レギュラー奪取へ、そのまま突っ走れー!広島の新井貴浩監督(47)が16日、規定打席到達まであと1打席に迫っている矢野雅哉内野手(25)にレギュラーとしてのシーズン完走指令を出した。こ…

 「DeNA(降雨中止)広島」(16日、横浜スタジアム)

 レギュラー奪取へ、そのまま突っ走れー!広島の新井貴浩監督(47)が16日、規定打席到達まであと1打席に迫っている矢野雅哉内野手(25)にレギュラーとしてのシーズン完走指令を出した。この日のDeNA戦は雨天中止。ナインは横浜スタジアムで練習を行った。

 すでにレールには乗っている。レギュラーとしての地位を確立しつつある矢野に対して、新井監督は期待を込めた指令を出した。「1年間終わった時に規定打席に到達しているように、引き続き頑張ってもらいたい」。球界屈指の守備に加えて、打撃でも成長を見せる若武者に、自身初の“大台突破”を課した。

 矢野はここまでチームの80試合中、65試合(遊撃57、二塁8)で先発。レギュラーの証しでもある規定打席到達まで、あと1打席に迫っており、17日・DeNA戦で4打席に立てば到達する。

 指揮官は「彼が自分自身でつかんでいる今のポジション、立ち位置だと思う」と強調。その上で「(17日の)4打席で規定に乗る乗らないというのはあるかもしれないけど、(シーズンが)終わったときに規定に到達していたか、していないかというのは、すごく大事だと思う」と最終的な着地点を見据えた。

 元々は守備力の高さを認められて、スタメン起用が始まった。打撃面では課題があった中、「バッティングの方も少しずつ上達していっていると思う」と新井監督。着実な成長曲線を描く姿に目を細めている。

 ただ矢野自身は目の前の試合に必死だ。規定打席到達が迫っていることは把握しながらも、「規定とかはあまり考えずに、試合にずっと出るということを今、自分が一番目指さないといけないと思う」と力を込めた。

 現在の打率は・233。決して高い数字とは言えないが、「今の状態をもっと早く前に見つけることができれば、もっと率も安定して残せたんじゃないかなって思う」と試行錯誤の末に“軸”にすべきものは見つけた。

 7月に放った外野への安打は全て中堅から右方向。朝山打撃コーチは「積極的に引っ張れるところでは空振りを恐れずに思い切って引っ張っていくことをやっている」と明かした。

 前半戦は残り4試合となった。「もっともっとできることもあるので、どんどん自分の持ち味を出していければいいかなと思う」と矢野。この日は強まる雨脚も関係なしに中止発表前の試合前練習でノックを受けた。夏場を迎えても疲労感はない。貪欲にレギュラーの座をつかみきり、指揮官からの期待に応えてみせる。