「大相撲名古屋場所・3日目」(16日、ドルフィンズアリーナ) 初日から2連敗していた新関脇の大の里が、小結大栄翔をはたき込んで初白星を挙げた。好成績なら大関昇進の可能性もある今場所で、流れを変える1勝を挙げた。横綱照ノ富士は若元春を寄り切…

 「大相撲名古屋場所・3日目」(16日、ドルフィンズアリーナ)

 初日から2連敗していた新関脇の大の里が、小結大栄翔をはたき込んで初白星を挙げた。好成績なら大関昇進の可能性もある今場所で、流れを変える1勝を挙げた。横綱照ノ富士は若元春を寄り切って3連勝。大関陣は豊昇龍と琴桜が2勝目を挙げたが、かど番の貴景勝は熱海富士に寄り倒されて2敗目を喫した。全勝は関脇霧島ら5人となった。

 負の流れは止まった。先場所の覇者が初日からの連敗を止めて、初白星。だが、大の里は硬い表情を崩さず「初日が出たので、これからがんばります」と控えめに話した。

 大栄翔にのど輪で攻め起こされながらも、突き放して応戦。星がなかなか上がらなくても冷静だった新関脇は、一瞬の隙を突いて右に動きながら相手を土俵にはわせた。

 夏場所の優勝で、今場所は成績次第だが一気に大関昇進の可能性もある。これ以上の黒星は避けたい状況。仕切り直しへのきっかけが欲しかった。前夜は新潟・海洋高、日体大の1年先輩で、兄弟子の十両白熊を「何か食べましょう」と誘い、部屋の宿舎で食事。テイクアウトのピザ1枚で、ゲンを担ぎ直した。

 白熊も「(今場所は)硬いですよね。変に意識してるのかな。腹を決めると強いけど」と感じていた。この白星で、大の里は「勝ちに結び付いたことが大きい。勝つ感覚を体に染み付けたい」と少し前を向くことができた。

 本来の相撲を取り戻せたなら逆襲は必至。今場所後の最速大関への道は、まだ閉ざされていない。