「巨人2-1阪神」(16日、東京ドーム) 阪神は首位・巨人に0・5ゲーム差と迫った状況で迎えた一戦だったが、接戦を制すことはできなかった。先発の才木が8回133球2失点の熱投だったが、打線が援護できなかった。デイリースポーツ評論家の谷佳知…

 「巨人2-1阪神」(16日、東京ドーム)

 阪神は首位・巨人に0・5ゲーム差と迫った状況で迎えた一戦だったが、接戦を制すことはできなかった。先発の才木が8回133球2失点の熱投だったが、打線が援護できなかった。デイリースポーツ評論家の谷佳知氏は「才木を援護できていない現実を各打者はどう受け止めているのか」と苦言を呈した。

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 先発の才木は初回に2点を失った後、走者を出しながらも踏ん張って、8回を投げ切った。133球の力投は見事だった。責められるべきは、またもエースを勝たせてあげられなかった打線だろう。

 巨人先発の山崎伊は状態が良かったわけではないが、要所を締めていたし、攻略が難しかったのは確かだ。だが、付け入る隙がなかったわけではない。

 この試合で唯一、先頭打者が出た三回。近本を一塁に置き、続く中野は遊直に倒れて走者を進められなかった。五回は2死一、二塁で二塁走者の野口がけん制死。ホームにかえりたいという気持ちが強過ぎてけん制への警戒が薄れ、その隙を相手バッテリーに見事に突かれた。

 さらに四回から八回まで毎回安打が出たが、すべて2死からだ。好投手相手に2死からの出塁では、好機を広げるのは難しい。

 才木が週頭の火曜日に先発するようになって4試合目。打線は才木が投げている30イニングの間に、この試合の二回の1点しか援護ができていない。相手もエース級。簡単に得点できないのはその通りだが、これだけ援護できていない現実を各打者はどう受け止めているのか。

 狙い球を絞る。際どいコースはファウルで粘る。状況に応じて打撃を変える。隙を突いて走る。個々人がもっと必死さを出して、もっと工夫する姿を見せないといけない。エースの勝ち星が増えれば、それだけチームも優勝に近づく。次こそ、才木に報いる打線の奮起を期待したい。