(16日、第106回全国高校野球選手権愛媛大会1回戦、東温7-5今治工) 今治工の月原大良(たいら)投手(3年)は背番号11。エースナンバーは1年生に譲ったが、大会前の調子の良さとチームの「3年生に賭ける」という思いで先発した。 1点リード…

(16日、第106回全国高校野球選手権愛媛大会1回戦、東温7-5今治工)

 今治工の月原大良(たいら)投手(3年)は背番号11。エースナンバーは1年生に譲ったが、大会前の調子の良さとチームの「3年生に賭ける」という思いで先発した。

 1点リードで迎えた九回表に3点を奪われて力尽きたが、166球を投げ抜いた。

 先発は試合1週間前に監督から言い渡されたが、試合は雨で2日延びた。肩の調子は悪くないと感じたが、いつも通りのパフォーマンスが出せるのか少し不安を抱えたままマウンドに立った。

 一回表、先頭打者からいきなりの3連打で1点を奪われた。「やばいな」と思ったが、その後は粘り強い投球で試合は逆転につぐ逆転のシーソーゲームに。バッティングでは2度の逆転につながる2安打を放った。

 試合終盤に降り出した雨のなか、九回のマウンドに。先頭打者を四球で出し、3安打や押し出しなどで逆転された。

 マウンド上で雨が気になる様子だったが、試合後は「両チーム同じ条件なので言い訳になりません」と語った。

 「球数が多くなり、投げ損じを狙われた感じがしました。全力でやり切った。ただチームが負けたことが悔しい」。涙はなく、すがすがしい表情だった。(堀江泰史)