「ボクシング・ダブル世界タイトルマッチ」(9月3日、有明アリーナ) 4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31)=大橋=が、WBO2位で元IBF王者のTJドヘニー(37)=アイルランド=と防衛戦を行うことが16日、都内で発表され…

 「ボクシング・ダブル世界タイトルマッチ」(9月3日、有明アリーナ)

 4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31)=大橋=が、WBO2位で元IBF王者のTJドヘニー(37)=アイルランド=と防衛戦を行うことが16日、都内で発表された。セミファイナルでは、5・6東京ドーム大会でジェーソン・モロニー(33)=オーストラリア=に判定勝ちしてWBO世界バンタム級王座を奪取した武居由樹(28)=大橋=が、1位で元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(28)=志成=の挑戦を受けて初防衛戦を行う。

 初めて世界王者として記者会見に登壇した武居は「感慨深いというか、バナー、ポスターみたいなのに実力は別として尚弥さんと写っているのをみると、すごいうわーっというのを感じますね。確かに責任感は感じますね。絶対落とせないなって言う気持ちです」と、心境を打ち明けた。

 比嘉戦については「客観的に見て面白そうなカードだなというのを感じたので、聞いた時からワクワクしていますね」と前のめり。比嘉の印象を「ガンガン前に出てきてハードパンチャー。危ない相手が来たなって感じ」と語り、「たぶんガンガン前に出てくるので、自分もそれに対応してバチッとKOで倒す、そんな試合をしたい。早めに終わると思います、どっちに転んでも。いい意味でもかみ合うし悪い意味でもかみ合うので。得意な土俵に引きずり込んだ方が勝つんだろうなという気持ち」と、早期のKO決着を予想した。

 比嘉とは八重樫東トレーナーを通じて練習をともにした経験もあり、「モロニー戦前も、絶対に取って来いよ!みたいな言ってくれるすごい優しい方だったし」という間柄。「感謝と敬意を持ってぶっ倒しにいこうと思っています」と、勝利で恩返しすると構えだ。

 ドームでは、試合まで1カ月を切った4週間前に尚弥との10ラウンドの“禁断のスパー”を敢行。「本当に良い経験をさせてもらった。格闘技人生で一番ボコボコにされました」と苦笑いで振り返っていた。

 今回は「できれば何もなく試合の日を迎えたいですけど。得るものはたくさんあるんですけど、失うものもたくさんあるので。(失うものは)自信だったり、いろんなものですよね」と苦笑い。

 それでも「この前も相当やられたので、いろんなものを失いましたけど、ホントに得るものもたくさんあったので、そこは感謝していますね。勉強になる部分も本当にたくさんあったので」と成果も強調し、「もちろん決まったならちゃんと押忍なので。押忍って言って行きます」と、覚悟も決めていた。

 合宿先からリモートで参加した比嘉は、6年ぶりの世界戦に「戻って来られてうれしい」と喜び、「(武居は)パンチのある選手なので、終わったり終わらされたりする可能性があるので、気を引き締めて前に出たい。教科書にないような変則的なパンチとか打ってくるところは初めての経験だと思うので、うまく見ていろいろとやっていきたい」と警戒した。

 大橋秀行会長は武居-比嘉というマッチメークに「こちらの望むところの試合なんで。すごく面白いじゃないですか。お互いパンチがあって好戦的で、これはやらない手はないですよね。ボクシングの面白さというか、人気を広げていくのはこういう試合だと思うので」と期待していた。