(16日、第106回全国高校野球選手権鹿児島大会2回戦 加世田0―5鹿児島城西) 加世田のエース古田遼羽選手(3年)は2段モーションで、ボールをいったん頭の後ろに隠し、耳ぐらいの高さから投げ込む。120キロ台の直球とスローカーブの緩急で、五…

(16日、第106回全国高校野球選手権鹿児島大会2回戦 加世田0―5鹿児島城西)

 加世田のエース古田遼羽選手(3年)は2段モーションで、ボールをいったん頭の後ろに隠し、耳ぐらいの高さから投げ込む。120キロ台の直球とスローカーブの緩急で、五回まで鹿児島城西打線を0点に抑えた。

 六回裏の守り。先頭打者に安打を許したものの次打者は二塁ゴロに。併殺コースと思われた。だが、二塁手の失策で無死一、二塁とピンチが広がった。その後、三塁打と犠飛を浴びて3失点。「味方のミスを帳消しにするのが自分の役割。それができなかった。力不足です」と振り返った。

 高校野球では部員数の格差が実力にも反映されやすい。今大会に出場した63チームのうち21チームは、ベンチ入り選手が上限の20人に満たない。1回戦をみると20人未満のチームは20人チームに対して2勝13敗。そのうちの1勝は、部員17人の加世田が挙げた。しかも相手はシードの鹿児島玉龍だった。

 古田選手はこの日の試合前、シートノックの際に投球練習はせずにボール運びを担った。下山慎吾監督は「部員が少ないのでいつもこうです」と小所帯の苦労を語る。「結果を出すことで部員が増え、それで強くなる。そんな好循環ができれば」と話した。(宮田富士男)