(16日、第106回全国高校野球選手権兵庫大会3回戦 須磨学園1―9明石清水) 同点の二回1死一、二塁のピンチ。須磨学園の西郷隆成投手(3年)が自信を持って投げた直球は、はじき返された。勝ち越しを許す3点本塁打になった。 西郷投手は父方の家…

(16日、第106回全国高校野球選手権兵庫大会3回戦 須磨学園1―9明石清水)

 同点の二回1死一、二塁のピンチ。須磨学園の西郷隆成投手(3年)が自信を持って投げた直球は、はじき返された。勝ち越しを許す3点本塁打になった。

 西郷投手は父方の家系図をたどると、西郷隆盛と津田梅子につながるという。「名前には代々『隆』の文字を入れることになっている」

 大会前、西郷投手は「偉大な先祖を誇りに思う」と話していた。津田梅子が新5千円札の肖像に採用されたことには「めちゃくちゃうれしかった」と言い、7月上旬からは、財布の中に新5千円札を常に入れていた。「いつも先祖に守られていると思うと、安心できます」と語る。

 今大会2回戦は七回から2番手で登板。3回を無失点に抑え、チームの初戦突破に貢献した。この日は先発したが、2回を投げて6点を失い、マウンドを降りた。

 「調子は悪くなかったので、自分の実力不足。もっと勝ち進みたかった」。試合後、淡々と振り返った。

 今後は、野球を続けるつもりはないという。「高校野球を通して、礼儀の大切さや思いやりの心などを学ぶことができた。社会人になってから、野球で学んだことを生かしていきたいです」と語った。(森直由)