(16日、第106回全国高校野球選手権岩手大会2回戦 盛岡工0-5水沢商) 0―0の五回、1死二塁で盛岡工の背番号10・佐藤健太選手(3年)が、マウンドに伝令として駆けよった。「楽しんで投げろ。このピンチ抑えて攻撃につなげるぞ」。2年生エー…

(16日、第106回全国高校野球選手権岩手大会2回戦 盛岡工0-5水沢商)

 0―0の五回、1死二塁で盛岡工の背番号10・佐藤健太選手(3年)が、マウンドに伝令として駆けよった。「楽しんで投げろ。このピンチ抑えて攻撃につなげるぞ」。2年生エースの小比類巻竜汰投手や内野手陣が笑顔に。この回、無失点で切り抜けた。

 投手だが昨秋に右ひじをけがし、自ら伝令に立候補した。エースになれなかった悔しさはあったが、「自分なりにできることを全力」。この日も計3回、伝令で仲間を笑顔にした。

 しかし六回から突き放され、敗れた。「悔しいけど、目標だった『必笑』はつらぬけたかな」。涙をぬぐって笑顔を見せた。(松尾葉奈)