フェルスタッペンは安定した成績を残しているが、ペレス(左)の不振は深刻だ(C)Getty Images

 レッドブルレーシングのコンストラクターズタイトル3連覇はこのままでは難しいのではと指摘する欧米メディアが相次いでいる。前戦の第12イギリスGPでルイス・ハミルトンが3シーズンぶりに優勝し、メルセデスはオーストリアGPから2連勝。レッドブルはランキングトップを守っているものの、その得点ペースが大幅に落ちている。

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 欧州ラウンド初戦となった第7戦エミリア・ロマーニャGP(イタリア・イモラ)の終了時点と、イギリスGP終了時点でコンストラクターズランキング上位はレッドブル―フェラーリ―マクラーレン―メルセデスの順で変わらない。

 が、過去6戦の獲得ポイントだけを拾い上げると、レッドブルが105点、フェラーリが90点に対し、メルセデス製パワーユニットで戦うマクラーレンが優勝ゼロながら138点、2勝のメルセデスが132点と盛り返しているのだ。

 優勝数(スプリントは除く)もレッドブルのマックス・フェルスタッペンが3勝し、フェラーリのシャルル・ルクレール、メルセデスのジョージ・ラッセルとハミルトンが1勝ずつを挙げているが、表彰台数はレッドブルが3回に対し、フェラーリ4回、マクラーレン6回、メルセデス4回といずれもレッドブルを上回っている。

 レッドブルで大ブレーキになっているのは不振のセルジオ・ペレスだ。第5戦中国GPまで4回の表彰台を獲得しているが、第6戦マイアミGP以降はゼロ。無得点だったグランプリも3回あり、チームの足を引っ張っている。

 カナダGP直前の6月4日に来季以降も複数年契約でチームに残留することが正式に発表されたが、ここに来て契約にパフォーマンス条項が盛り込まれているために8月の夏休み期間に解雇され、第15戦オランダGP(8月25決勝)からドライバーが交代されるのではと報じられている。

 残りは12戦。このままのペースでいけば、終盤でレッドブルとの他のチームとの点差が肉薄する可能性があり、アクシデントなどでノーポイントのグランプリがあれば、形勢がひっくり返ることもなくはない。

 米メディアのモーターオーソリティーも「ドライバーたちにとって現リーダーのフェルスタッペンにさらに追いつくための十分な時間がある」と指摘。レース専門サイトの『motorsports.com』もレッドブルでF1ドライバーだった経歴のあるロバート・ドーンボスがフェルスタッペンについて「契約は残っているが、2025年にメルセデスに加入すべきかどうかを真剣に考え始めるべきだ」と語っていることを伝えている。

 ペレスをそのまま続投するか、別のドライバーと交代するかは大きな賭けにはなるが、背に腹は代えられない緊急事態にはある。RBの角田裕毅がペレスの後釜として抜てきされる可能性もあるが、果たしてどうなるのか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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