「伝統の一戦~レジェンズOB対決~ 巨人3-2阪神」(15日、東京ドーム) 「伝統の一戦~レジェンズOB対決~」が15日、巨人-阪神の公式戦後に同じ東京ドームで開催された。阪神の元4番・掛布雅之(69)と巨人の元エース・江川卓(69)の“…

 「伝統の一戦~レジェンズOB対決~ 巨人3-2阪神」(15日、東京ドーム)

 「伝統の一戦~レジェンズOB対決~」が15日、巨人-阪神の公式戦後に同じ東京ドームで開催された。阪神の元4番・掛布雅之(69)と巨人の元エース・江川卓(69)の“永遠のライバル”による対決も実現し、掛布が完璧な中前打を放った。試合は巨人が勝利。デーゲームを観戦した3万5000人が熱視線を送る中、10年ぶりのOB戦は大きな盛り上がりを見せた。(敬称略)

 東京ドームが興奮のるつぼと化した。歴代のスターが集結したOBによる「伝統の一戦」で、伝説となったライバル対決がよみがえった。

 二回無死。阪神の4番・掛布が打席に入ると、巨人のエースを担った江川が登板。2人はファンの大歓声に迎えられた。掛布は「これだけお客さんが(デーゲームの後に)残ってくれて。マウンドには江川がいた。緊張感ありますよね。ピリピリ感ありました」と振り返る。

 初球は高めに外れる。「振れ」とアピールする江川に対し、笑顔と身ぶりで「高い」とクギを刺す掛布。親交が深い2人の間柄を物語るシーンだった。「2球目に打つ約束をしていた」。掛布は真ん中付近に円を描き、“このあたりに”とばかりに示したが、2球目は低めにワンバウンド。3球目も低めに外れて、3ボールとなった。

 球場が騒然となったが、4球目のあまいボールを捉えて鋭いライナーを中前へ運ぶ。江川がよけようとするほど完璧な当たりだった。全盛期を知るだけに「江川のボールは現役の頃とは比べものにならないボールだけども」と苦笑い。それでも「一発で仕留めたね。こういうバッティングがいいね」と誇らしげに胸を張って自画自賛した。

 4番を張ってチームを支え、伝統の一戦を盛り上げた。現役時代にともにプレーした岡田監督が率いる阪神には「連覇という大きな目標がありますから。それに向かっていってもらいたいというだけですよね。球団初めてのことなのでね。それしかありません」。一仕事を終えたレジェンドは、球団初の快挙を目指す後輩に愛のこもったゲキを飛ばした。