「巨人0-2阪神」(15日、東京ドーム) 痛快な先勝やで!阪神は大山悠輔内野手(29)が四回に先制の2点二塁打。投手陣が5安打完封で2点リードを守り抜き、首位・巨人との3連戦初戦を制した。DeNAが広島に勝ったため4位のままだが、セ・リー…

 「巨人0-2阪神」(15日、東京ドーム)

 痛快な先勝やで!阪神は大山悠輔内野手(29)が四回に先制の2点二塁打。投手陣が5安打完封で2点リードを守り抜き、首位・巨人との3連戦初戦を制した。DeNAが広島に勝ったため4位のままだが、セ・リーグは0・5差に4チームがひしめく大混戦。4番を外れてからの3試合で打率・500と復調気配を見せる主砲のバットで一気に抜け出す。

 一振りで勝負を決めた。首位・巨人を射程圏内に捉えて迎えた伝統の一戦。大山の先制2点適時打が決勝打となって、3連戦初戦を制した。「最終的に勝ったのでそこは一番ですし、それ(2点)を守り切れたのもチーム一丸となってできたと思う」。左翼スタンドからの歓喜の声を浴びて、白星に直結した団結力を誇った。

 両チーム無得点のまま迎えた四回だ。2死一、三塁で打順が巡る。赤星から2球連続で内角を攻められた後、捉えたのは外角スライダー。ライナーがジャンプした三塁・岡本和の頭上を越えて左翼線で弾む。「しっかり準備はできていたので」。見逃し三振に倒れた二回1死では仕留められなかった外角スライダーに、きっちりと反応した。

 三走・近本に続いて、佐藤輝も一塁からの激走でホームイン。「輝なら走ると思っていたので。あとはセーフになれと思って、僕も走っていました」。仲間の“足スト”も受け、スコアボードに価値ある2点を刻んだ。

 13日・中日戦(バンテリン)から4番を外れたが、打撃は上昇カーブを描く。外れてからの3試合は8打数4安打、打率・500で4打点。その間は敬遠を含めて6四球で、この日も2四球を選んだ。昨季、最高出塁率のタイトルを獲得した選球眼が輝きを取り戻して、敵軍の脅威となってきた。

 今季から白鷗大の後輩、福島が育成ドラフト2位で入団。まだ道具メーカーとの契約を結べていない福島のために、大山はバットや手袋などを譲り渡して、鳴尾浜で汗を流すルーキーを後押ししている。勝利を収めたデーゲームの後、東京ドームでは阪神と巨人のレジェンドによるOB戦が開催された。大山が見せる後輩への気遣いも積み重なって、猛虎の伝統へつながっていく。

 永遠のライバルを敵地で下して、指名されたヒーローインタビューで胸の内をさらけ出した。「本当にすごい雰囲気で野球をやらせてもらっていると思うので。幸せなことだと感じながら、一試合一試合、やっていきます。明日も頑張ります」。頼れる大山の一撃には、虎党を幸福にさせる魅力が詰まっている。