(15日、第106回全国高校野球選手権香川大会2回戦、坂出商12―2津田) 五回表、無死満塁のピンチ。ベンチに控えていた津田の岡田遥希投手(3年)に声がかかった。 津田は四回終了まで2点差で食らいついていたが、先発の小西泰誠投手(3年)が…

 (15日、第106回全国高校野球選手権香川大会2回戦、坂出商12―2津田)

 五回表、無死満塁のピンチ。ベンチに控えていた津田の岡田遥希投手(3年)に声がかかった。

 津田は四回終了まで2点差で食らいついていたが、先発の小西泰誠投手(3年)が坂出商打線に捕まり、内野安打を含む計5連打を浴び、この回すでに3点を加えられていた。

 なおもピンチが続く。マウンドに立った岡田投手はチームメイトを動揺させまいと、笑顔を見せた。

 岡田投手は下手投げから緩急を使って打たせて取る投球が強み。ただ、この日は緊張と力みからか、ストライクが入らない。2死球を与え、続く下位打線に連打を浴び、さらに5点を失った。

 「コールドが頭にあり、焦ってしまった」

 2年まで主に外野手としてプレーしていたが、今春の大会後にチーム事情から投手に転向した。今大会が公式戦で初の登板だった。

 「求められていることと、やりたいことが違う」と葛藤を抱えることもあったが、チームのためならと引き受けた。

 試合は五回コールド負け。試合後、中塚智也監督は「立場的に難しいポジションだったが、これまでよくやってくれた」とたたえた。

 岡田投手は「3年間やってきて楽しかった。でも持ち味をもっと出せたらな」と悔しさをにじませた。(和田翔太)