(15日、第106回全国高校野球選手権石川大会2回戦 石川高専3―1金沢北陵) チームの好守に両手をあげて喜び、好機を逃せば天を仰いで悔しがる。金沢北陵のエースで4番の越田鉄平投手(3年)は感情を前面に出す。 主将で5番の宮崎宗知捕手(3…

 (15日、第106回全国高校野球選手権石川大会2回戦 石川高専3―1金沢北陵)

 チームの好守に両手をあげて喜び、好機を逃せば天を仰いで悔しがる。金沢北陵のエースで4番の越田鉄平投手(3年)は感情を前面に出す。

 主将で5番の宮崎宗知捕手(3年)は冷静な声かけが持ち味。2人は対照的なバッテリーだ。宮崎捕手を高校野球に導いてくれたのは同じ中学出身で別のチームに所属していた越田投手だった。

 宮崎捕手は中学時代に野球をやめていた。高校でも入部するつもりはなかったが、「一緒にやろ」という声かけに背中を押された。

 2年秋からバッテリーを組んだ。明るくひょうきんな越田投手といつもまじめな宮崎捕手。試合前に「いい顔して戦おう」と呼びかけた深見大輔監督の言葉を体現するようにエースは表情を変え、相方の緻密(ちみつ)なリードで被安打5に抑えた。

 2点を追う九回2死二塁で越田投手に打席が回った。「絶対に次の宮崎に回す」。3球連続、全力でバットを振った。いずれも大きな空振り。

 最後に相手捕手が球をこぼすのが見え、一塁に全力疾走し頭から滑り込んだ。しかし判定はアウトで試合終了。審判に促されるまで立ち上がれなかった。

 3年間を「切磋琢磨(せっさたくま)してお互いに高めあえた」と振り返る宮崎捕手。越田投手は「最高のパートナーです」と語った。(砂山風磨)