（15日、第106回全国高校野球選手権和歌山大会2回戦 田辺6―0市和歌山） 市和歌山・麹家桜介選手（3年）は六回の守りから途中出場。攻守にわたり、チームを鼓舞した。 初打席は八回1死一塁。初球と2球目は力いっぱいの空振り。「フルスイング…
（15日、第106回全国高校野球選手権和歌山大会2回戦 田辺6―0市和歌山）
市和歌山・麹家桜介選手（3年）は六回の守りから途中出場。攻守にわたり、チームを鼓舞した。
初打席は八回1死一塁。初球と2球目は力いっぱいの空振り。「フルスイングすると決めていた」。そこから粘って、田辺の好右腕・寺西邦右投手から左前安打。守備では大きな身ぶりでチームを落ち着かせ、「全力で投げてこい」と投手を励ました。
田辺は因縁の相手だった。昨秋はコールド負け。今春は延長タイブレークの末、勝った。その試合で左手薬指を骨折。今大会直前まで2カ月間、実戦から離れていた。
市和歌山からプロ野球千葉ロッテに進んだ松川虎生選手が中学時代にプレーした硬式野球チーム「貝塚ヤング」の出身。先輩のような捕手になるのが目標だった。1年生の秋から正捕手に定着。昨夏の甲子園は4番打者として2試合で計4安打と輝いた。
試合後のあいさつでは寺西投手と抱き合い、「お前ら絶対、甲子園行けよ」と声をかけた。「まかしとけ」。それが寺西投手からの返事だった。
「自分たちの代で甲子園に出たかったが、このチームで野球ができたことに後悔はない。後輩たちは全力で甲子園をめざしてほしい」（伊藤秀樹）
