(15日、プロ野球 阪神タイガース2―0読売ジャイアンツ) 肩をぐるぐる回しながら、阪神のビーズリーは一回のマウンドに向かった。首位の巨人を相手に、満を持しての中9日の登板。「チームに勝利を届けようと、すごく気合が入っていたんだ」。力みす…

 (15日、プロ野球 阪神タイガース2―0読売ジャイアンツ)

 肩をぐるぐる回しながら、阪神のビーズリーは一回のマウンドに向かった。首位の巨人を相手に、満を持しての中9日の登板。「チームに勝利を届けようと、すごく気合が入っていたんだ」。力みすぎて少々球が上ずったが、気にしない。球威で押した。

 決め球には得意のスライダーが決まる。一回1死一塁からヘルナンデス、岡本和真の3、4番をこの球で連続空振り三振に。雄たけびを上げた。

 闘志あふれる一方で、冷静さも見失わない。2巡目以降は相手がスライダーを狙ってくるとみるや、フォークも交えて的を絞らせない。四回2死一、二塁は、8番佐々木俊輔を追い込むと、最後は低めにすとんと落としてバットに空を切らせた。

 6回を投げ、被安打5、8奪三振で無失点。七回以降は細かい継投で逃げ切り、岡田彰布監督もご機嫌だ。「ビーズリーは期待通りの投球だった。6回で十分。イメージ通りの勝ち方よ」

 来日2年目の28歳は、これで巨人を相手に今季は2戦2勝。昨季から計18回3分の2を投げて、いまだ無失点だ。

 伝統の一戦での快勝に、沸き立つ阪神ファンを横目に言った。「ジャイアンツは伝統球団だが、僕にとっては他球団の一つにすぎない。意識しないことが好結果につながっているのかも」。混戦のセ・リーグ首位争い。巨人キラーは、にやりと笑った。(山口裕起)

 ビーズリー(神) 6回無失点。昨季から巨人相手に無失点投球を続ける右腕は「巨人は伝統球団だが、他球団の一つという意識。いつも通り投げた」

 大山(神) 四回、左翼線へ2点適時打。「ビーズリーが頑張っていたので、なんとか点を取りたかった。いい準備をして打席に入れた」