(15日、第106回全国高校野球選手権兵庫大会2回戦 県伊丹5―3県尼崎) 県伊丹は、1点差が続く接戦を、九回2死三塁からの4連打で3点を奪って突き放し、県尼崎に快勝した。 途中から4番に入った千葉喜晴選手が3本のファウルの後、右中間に三…

 (15日、第106回全国高校野球選手権兵庫大会2回戦 県伊丹5―3県尼崎)

 県伊丹は、1点差が続く接戦を、九回2死三塁からの4連打で3点を奪って突き放し、県尼崎に快勝した。

 途中から4番に入った千葉喜晴選手が3本のファウルの後、右中間に三塁打。続く前嶋哲司選手、杉田優介選手の連続安打の後、板山魁成選手の二塁打で3点目を挙げた。

 試合後、保田聖翔主将は「リードされていたが負けることは考えず、どうやって勝てるかを考えていた」と話した。次戦の相手はタイブレークを制した須磨翔風。開会式では選手宣誓をした保田主将は「自分がチームをまとめるというより、全員でチームを作ってきた。もう一度自分たちの野球を確認して臨みたい」と胸を張った。

■部員不足から挑んだ夏、勝利目前で… 県尼崎

 県尼崎は七回に再び勝ち越し、1点リードのまま九回を迎えた。マウンドには力投を続ける左腕村上虎次郎投手(3年)。左手親指の皮がめくれるアクシデントを抱えながら、2死2ストライクまで追い込んだ。

 「絶対に抑える」。力を込めた直球が高めに浮く。それを相手は見逃してくれなかった。三塁打を浴び、そこから3失点。勝利が逃げていった。

 試合後、「自分のせいで勝てなかった」と泣き崩れるエースを、福田大翔主将(同)はかばう。「後ろから見ていて、いつも以上に腕が振れていた。村上がずっとこのチームを支えてきてくれた。ナイスピッチングだった」

 春季大会は部員不足のため出場がかなわなかった。その後懸命な勧誘が実り1年生が入部。夏にこぎつけた。

 半沢拓実監督は「苦しい時期を経験しながら、よくここまで成長してくれた。今までで一番声が出ていて、気迫あふれるベストゲームだった」と選手らをねぎらった。(真常法彦)