<高校野球千葉大会:千葉学芸5-2佐倉>◇12日◇2回戦◇船橋市民球場今秋のドラフト候補に挙がる身長2メートルの最速149キロ右腕、千葉学芸の菊地ハルン投手(3年)が、日米10球団のスカウトの前で5回1安打無失点と好投した。小雨がぱらつく中…

<高校野球千葉大会:千葉学芸5-2佐倉>◇12日◇2回戦◇船橋市民球場

今秋のドラフト候補に挙がる身長2メートルの最速149キロ右腕、千葉学芸の菊地ハルン投手(3年)が、日米10球団のスカウトの前で5回1安打無失点と好投した。小雨がぱらつく中、佐倉戦に先発。初回の先頭打者に中前打を許すと「フォームに間を作り体の開きを意識した」と、制球よく後続を打ち取った。2回からはスライダー、カーブなど変化球主体に二塁を踏ませなかった。5回を64球、無四死球で6奪三振。「納得のいく投球」と状況に応じたクレバーさを披露した。

パキスタン人の父と日本人の母との間に生まれた。幼少時に両親が離婚すると、4歳上の兄レハン(21)の後ろをついて歩いた。兄弟の遊びはいつも近くの公園でのキャッチボール。大好きな兄は手取り足取り野球を教えてくれた。190センチ近くあった父と168センチの母のDNAを引き継ぎ、小学校卒業時には176センチ。白飯が大好きで、夕食は直系30センチほどのお皿に山盛りで2杯が日課。母知恵子さん(50)は「生まれた時は3020グラムだったのに、まさか2メートルまで伸びるとは」と目を丸くする。驚くことに「現在も伸びているような気がするんです」と菊地。まだまだ成長中だ。

中学時代は成長痛があり試合での登板はなし。高校1年まで地道に体作りに取り組んだが、単調な練習が嫌で、たびたびグラウンドのトイレに隠れては高倉伸介監督(49)から引っ張り出されることも。「苦しかった。でも少しずつ体力がついて、球速も上がって楽しくなっていきました」。フォーム作りから投手としての経験を積み、プロ注目の投手へと成長した。

ちょっぴり甘えん坊。「ママ、頑張るね」と、知恵子さんの手をギュッと握るのが元気の源。千葉学芸初の甲子園出場へ。「チームが勝つために。全力で投げたい」。エースとして、新たな歴史をつくるつもりだ。【保坂淑子】

▽DeNA八馬スカウト部アマスカウティングディレクター スケール感があって器用。体をまだ扱いきれていないが、これから筋力がついてきたらキレは出てくる。スピードもまだまだ上がるでしょう。素材としていい。