(14日、第106回全国高校野球選手権石川大会2回戦 金沢大付2―7大聖寺実) 一塁側スタンドには雨の降る中、50人を超える金沢大付の応援団が駆けつけた。トランペットが奏でる曲に合わせて、メガホンをたたく音が響いた。 引っ張ったのは、3人…

 (14日、第106回全国高校野球選手権石川大会2回戦 金沢大付2―7大聖寺実)

 一塁側スタンドには雨の降る中、50人を超える金沢大付の応援団が駆けつけた。トランペットが奏でる曲に合わせて、メガホンをたたく音が響いた。

 引っ張ったのは、3人のトランペッターだ。うち2人は吹奏楽部だった林妃菜さん(3年)と神谷美玖さん(同)。教員とともに高校野球の定番曲を、ユニゾンで場内に響かせた。

 2人は4月に吹奏楽部を引退。先生に誘われて急きょ前日に曲を練習して本番を迎えた。球場でトランペットを吹くのは初めて。さらに雨。神谷さんは「非日常的で楽しい」と笑顔をのぞかせた。3年生の野球部員はみんな知り合いだ。林さんは「最後の大会。悔いのないように頑張って欲しい」と話した。

 雨の中断をはさみ、金沢大付は敗れた。主将の高橋真平投手(3年)にもトランペットの音が届いていたという。試合後、高橋投手は「たくさん応援の力をもらったからこそ悔しい」と涙を流した。それでも「試合を楽しめた最高の一日でした」と力強く語った。(砂山風磨)