「高校野球神奈川大会・3回戦、向上11-2菅」(14日、バッティングパレス相石ひらつか) あふれてくる涙を何度も拭い、言葉をつないだ。想像もしていない自分を見つけた3年間。“公立の星”菅・岩瀬将投手(3年)が今大会2戦目で最後の夏を終えた…

 「高校野球神奈川大会・3回戦、向上11-2菅」(14日、バッティングパレス相石ひらつか)

 あふれてくる涙を何度も拭い、言葉をつないだ。想像もしていない自分を見つけた3年間。“公立の星”菅・岩瀬将投手(3年)が今大会2戦目で最後の夏を終えた。

 初戦は1失点完投も、この日は小雨も降る中、8四死球と苦しんだ。第1シードの私立・向上に6回13安打11失点。「格上の相手で、良い球を投げようと気持ちが出過ぎてしまいました。途中からは自分の一番良い球が投げられていたんですけど、向上さんが一つ上だった」と唇をかんだ。

 無名の存在から、持ち前の「探究心」を恩師が伸ばしてくれ、プロ注目投手へ成長した。昨春に平林明徳監督(56)が同校へ赴任し「人生が変わった」と岩瀬。体重を増やし、新球種の習得やフォーム改良に取り組み、日米のスカウトが視察に訪れるまでに。平林監督は「素材はピカイチだと思った。結果が出てくる中で、才能に努力が追いついてきた」と明かす。

 プロ入りを目指す“未完の大器”は「こんなに注目されて応援される選手になると思っていなかった。上のレベルでやると決めているので、鍛えていきたい」と決意。導いてもらった夢への道を、自らの力で突き進む。

 ◆岩瀬将(いわせ・しょう)2006年12月7日生まれ、17歳。米カリフォルニア州出身。180センチ、80キロ。右投げ右打ちの投手。最速143キロ。5歳から野球を始め、川崎市の金程小では金程少年野球部に所属。金程中では軟式野球部でプレー。菅では1年春からベンチ入り。