「高校野球大阪大会・2回戦、大体大浪商10-0桃山学院」(14日、大阪シティ信用金庫スタジアム) 大阪大会の2回戦が14日、大阪市の大阪シティ信用金庫スタジアムで行われ、大体大浪商が桃山学院に10-0の五回コールド勝ちで初戦を突破した。創…

 「高校野球大阪大会・2回戦、大体大浪商10-0桃山学院」(14日、大阪シティ信用金庫スタジアム)

 大阪大会の2回戦が14日、大阪市の大阪シティ信用金庫スタジアムで行われ、大体大浪商が桃山学院に10-0の五回コールド勝ちで初戦を突破した。創部100周年の節目を迎え、歴代OBは山のような差し入れで野球部を支援。元巨人でOBの張本勲氏(84)らからは米袋を10袋以上が送られ、ナインは肉体改造に成功した。2015年は大阪大会の決勝に敗れ、涙をのんだ。“オール浪商”で1979年以来45年ぶりとなる夏の聖地の切符をつかみにいく。

 100年の歴史を背負い、大体大浪商ナインは甲子園への道を駆け出した。初戦突破に沸いた三塁側スタンドからはチーム帽を身につけたOBが拍手で称賛。特別な夏は大勝発進で幕を開けた。

 三回に四球と6安打を絡めながら、打者14人の猛攻で一挙8得点。9点リードの五回に適時打で1点を奪い、五回コールドであっという間に試合を決めた。「100周年でOBや周りの方からの期待が大きい。100周年で甲子園に出るという重圧も感じながら、楽しみながら自覚を持って臨んでいます」と主将の奥野諦河内野手(3年)。圧倒的な勝利で今夏に懸ける覚悟を示した。

 2002年のセンバツには出場したものの、夏の甲子園は元横浜ベイスターズ監督の牛島和彦氏、「ドカベン」こと香川伸行氏を擁した1979年から遠ざかる。節目の年に古豪復活をかなえるべく、レジェンドOBたちが立ち上がった。

 新チーム発足直後、通算3085安打のNPB記録保持者で元巨人・張本勲氏を中心としたOBが30キロの米袋を10袋以上差し入れ。“張本米”を使った補食のおにぎりでナインは体を大きくした。さらには牛ヒレ肉約30人分、サーロインステーキ約30人分も提供。主将は「すごいおいしかったです」と感謝した。

 昨秋就任したOBで2014年夏の甲子園で三重高を準優勝に導いた中村好治監督(70)も「もうそれはびっくりするような。身に余る差し入れを頂きました」と目を丸くした。牛島氏を含む、あまたのOBから続々とエール。「オール浪商で勝つ」と先輩の支援が野球部を奮い立たせた。

 ナインは同校グラウンドに足を運んだ張本氏から指揮官を通じ、「喝と言わせないように」の言葉をもらった。「甲子園に出ることが恩返し」と主将。100年の歴史を紡いだOB達の悲願をかなえ、張本氏から“アッパレ”をもらう。

 ◆大体大浪商 1921年に浪華商業実修学校として大阪府天王寺に創立。浪華商、浪商高と校名変更され、89年から現校名。現在地は大阪府泉南郡熊取町。甲子園には春19回、夏13回の計32回出場。春は37、55年の2度、夏は46、61年の2度優勝。春は2002年に出場も夏は79年が最後の出場。主な野球部OBは張本勲、尾崎行雄、高田繁、牛島和彦、香川伸行。