(14日、第106回全国高校野球選手権香川大会2回戦、多度津1―3三本松) 多度津の石川椋大(りょうた)選手(3年)は、今春以降、2度の大ケガに見舞われながら、一塁ランナーコーチとして最後の夏のグラウンドに立った。 今春の県大会前の練習試…

 (14日、第106回全国高校野球選手権香川大会2回戦、多度津1―3三本松)

 多度津の石川椋大(りょうた)選手(3年)は、今春以降、2度の大ケガに見舞われながら、一塁ランナーコーチとして最後の夏のグラウンドに立った。

 今春の県大会前の練習試合で、ファウルチップが顔面に直撃し、鼻の骨を折った。5月の初めの練習試合では、二塁を守っている時に相手走者とぶつかり、左鎖骨を骨折。今もその手術の痕は痛々しく、プレーはできない状態が続いている。

 気分は落ち込んだが、チームの仲間たちが励ましてくれた。「今度は自分がチームを支える番だ」。そう気持ちを切り替え、今大会に臨んだ。

 初戦の三本松戦。味方の走者が一塁に出るたびに「行けるよ!」と鼓舞する声をかけ続けた。

 多度津は一回、立ち上がりの定まらない相手投手の3連続四球で満塁とし、二ゴロの間に1点をもぎとり先制。六回や八回にも得点圏まで走者を進めたが、加点できなかった。

 「最高の仲間に出会えて、人間的にも成長できた。悔いはないけど、もうちょっとみんなと野球がしたかった」。石川選手はこう振り返った。(和田翔太)