(14日、第106回全国高校野球選手権千葉大会2回戦、木更津6―2四街道) 一回裏1死。四街道の新城陽太(はると)(3年)が左打席に立った。3球目の外角にきた変化球を器用に左翼線深くに運び、二塁打とした。その後、相手のミスが重なり、生還。…

 (14日、第106回全国高校野球選手権千葉大会2回戦、木更津6―2四街道)

 一回裏1死。四街道の新城陽太(はると)(3年)が左打席に立った。3球目の外角にきた変化球を器用に左翼線深くに運び、二塁打とした。その後、相手のミスが重なり、生還。先取点を挙げた。「思うような打撃ができた」

 この日、4打数2安打と好調の新城。実はもう一つの顔がある。それは生徒会長だ。新城が打席に立つと、スタンドから「いけ! 生徒会長」という声がわき上がった。

 昨年11月から会長を務め、野球部との両立をはかってきた。だが、度重なる肉離れの再発などで、生徒会にいる時間が多くなっていた。今春、チームは県16強になったが、新城は思うような活躍ができなかった。6月には監督から「レギュラーの格じゃない」と厳しい言葉をもらった。

 でも、持ち前の真面目さが生きた。打撃練習ではコースの打ち分けをして、丁寧に練習を積み重ねた。その成果が出た1本だった。

 スタンドには吹奏楽部やチアリーダーの他に、一般生徒も多く駆けつけ、会長に声援をおくった。「自分のできる精いっぱいで応えていきたい。四高(よつこう)生が楽しく生活できるように、何かあれば頼ってもらいたい」。既に、生徒会長の顔つきになっていた。=県(杉江隼)