(14日、第106回全国高校野球選手権福島大会1回戦 相馬10―0原町=五回コールド) 東京五輪の野球開幕戦で始球式を担ったバッテリーが、高校最後の夏、直接対決した。相馬のエース宝佑真投手(3年)と、原町で主将を務める小泉直大(なお)捕手…

 (14日、第106回全国高校野球選手権福島大会1回戦 相馬10―0原町=五回コールド)

 東京五輪の野球開幕戦で始球式を担ったバッテリーが、高校最後の夏、直接対決した。相馬のエース宝佑真投手(3年)と、原町で主将を務める小泉直大(なお)捕手(3年)。中学時代、相双地区の選抜チームでともに汗を流した仲だ。

 3年前に県営あづまであった五輪始球式後の日本―ドミニカ共和国戦は、コロナ禍で無観客試合だったが、2人は特別に観戦。日の丸を背負って戦う日本代表選手の姿に刺激を受けた。宝投手は「自分も地元を背負って甲子園を目指したい」と県内外の高校からの誘いを断り、地元高校へ進学。最速140キロ超を投じる今大会注目投手に成長を遂げた。小泉捕手は春に新入生を誘って単独出場にこぎつけ、13人のチームを率いて臨んだ。

 この日、先発の宝投手を相手に、小泉捕手は初回で併殺に倒れ、四回は犠打を決めた。試合は相馬が五回コールド勝ち。

 試合後に整列した2人は「ありがとう」と言葉を交わした。小泉捕手は「佑真はやっぱり良い投手だった。絶対に甲子園に行ってほしい」。宝投手は「直大の分まで頑張って戦う」と誓った。(酒本友紀子)