(14日、第106回全国高校野球選手権石川大会2回戦 星稜8―1津幡) 1週間前に告げられた、初戦の先発マウンド。星稜の2年生右腕・道本想は、その期待に応えた。 6回を被安打3、1失点。2本の安打を打たれて1点を失った五回以外は「安心して…

 (14日、第106回全国高校野球選手権石川大会2回戦 星稜8―1津幡)

 1週間前に告げられた、初戦の先発マウンド。星稜の2年生右腕・道本想は、その期待に応えた。

 6回を被安打3、1失点。2本の安打を打たれて1点を失った五回以外は「安心して見ていました」という山下智将監督の言葉通り、直球を軸に、ストライク先行でテンポ良く打ち取り、8回コールド勝ちを呼び込んだ。

 今春の選抜大会でチームは県勢初の4強入りを果たした。ただ、道本は大会前からの腰痛の影響もあり、1回戦の1回しか投げられなかった。

 準々決勝では同じ2年生の戸田慶星が完封勝ちを収め、「うれしい気持ちもあったけど、あれだけ良い投球されて悔しかった」。ほろ苦い春だった。

 春の県大会から本格的に復帰した。夏に向けて直球を磨き、状態を上げた。

 憧れの存在がいる。星稜の卒業生でプロ野球ヤクルトで活躍する奥川恭伸だ。準優勝した第101回大会(2019年)の投球を見て、星稜の門をたたいた。

 「真っすぐも変化球も、相手を圧倒する投球はすごい」

 プロ2年目の21年に9勝して活躍した先輩はその後、度重なるケガに苦しんだ。今年6月に3季ぶりの白星を挙げて復活した姿に、後輩右腕は奮い立った。「すごい先輩がプロで活躍している。自分も頑張りたい」

 不完全燃焼だった春の悔しさを、甲子園に戻ってぶつけるつもりだ。=石川県立(大坂尚子)