(14日、第106回全国高校野球選手権東東京大会2回戦 開成0―7駿台学園 七回コールド) 霧雨のなか、開成の攻撃を後押しする音色が球場に響いた。吹奏楽ではなく、小学校で使う鍵盤ハーモニカ。奏でていたのは田村将也主将(3年)の母、麗子さん…

 (14日、第106回全国高校野球選手権東東京大会2回戦 開成0―7駿台学園 七回コールド)

 霧雨のなか、開成の攻撃を後押しする音色が球場に響いた。吹奏楽ではなく、小学校で使う鍵盤ハーモニカ。奏でていたのは田村将也主将(3年)の母、麗子さん(47)だ。

 学校には音楽部があるが、勉強があるため、今年の夏の大会の演奏は頼まなかった。応援団もないため、「それなら」と麗子さんが応援歌を演奏することに。元ピアニストで、小学校で音楽を教えている。

 この日のために、定番曲を楽譜に起こし、ベンチ入りメンバー20人の名前を書いたカードも作成。スタンドの最前列に立ち、校歌や応援歌でチームを盛り上げた。

 四回表に二塁打を放った田村主将は「打席でも母の演奏がよく聞こえて、力になりました」。自宅から2時間かけて通学し、野球も勉強も頑張ってきた息子。麗子さんは「野球をやりきったことを誇りに思って次に進んでほしい」とエールを送った。=JPアセット江戸川(佐野楓)