首位を走るソフトバンクと2位ロッテとの3連戦(みずほペイペイドーム福岡)が15日から始まる。両者の開きは14日現在で7ゲーム差。7月2日の時点で12・5ゲーム離れていた差を大きく縮めて迎える“首位攻防戦”だ。デイリースポーツウェブ評論家の…

 首位を走るソフトバンクと2位ロッテとの3連戦(みずほペイペイドーム福岡)が15日から始まる。両者の開きは14日現在で7ゲーム差。7月2日の時点で12・5ゲーム離れていた差を大きく縮めて迎える“首位攻防戦”だ。デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏は「注目すべきは初戦」と語る。

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 昔は3ゲーム、5ゲーム縮めるのに1カ月かかると言われていたのに。あっという間に5ゲームも差が詰まりましたね。

 14日の試合はソフトバンクもロッテも負けたから、実際には7月2日から13日までの、わずか11日間で縮めたことになる。

 福岡で行われる15日からの3連戦は、急上昇してきたチームと急降下しているチームとの直接対決だから“ひょっとしたら”という空気が漂ってますね。

 ロッテ打線はソトの加入が大きいが、佐藤都志也や小川の成長、高部の復帰が大きい。ベテラン角中も元気だし、岡もよく打っている。以前までは山口や安田の成長がカギを握るのかなと思っていたが、そうじゃないチームになってきている。

 粘りがあり、しぶとい打撃をするチームであるのに変わりはなく、チーム打率は2割5分を超えていて、ソフトバンクと遜色がない。

 特に今年は球界全体が「投高打低」と呼ばれ、守り合いの重苦しい試合が多い。ゲームの流れが、なかなか変わりにくい展開が続く中でロッテは結構、試合の流れを変えている印象がある。

 (7月に入って8勝3敗のロッテ。3勝7敗のソフトバンク。2日に12・5に広がったゲーム差は14日現在で7)

 まだ差はあるけど、仮にロッテが直接対決3連戦で3連勝でもすれば、ペナントレースは分からなくなる。逆に3連敗してしまえば、盛り上がりも一気にしぼんでしまうかな。

 今年のソフトバンクは柳田抜きでも余裕で首位を突っ走ってきたが、中継ぎ陣の綻びや打線の停滞で、夏場に入ってさすがに失速してきたね。

 それまでは“ここで打てば”という場面でしっかり打っていたし“ここで抑えれば”という場面できっちり抑えていたが、今はその逆の結果になるケースが目につく。

 昨年は夏場の大型連敗で失速してしまったが、長いペナントレースを何事もなく無事に終えるのは難しいからね。

 (1963年には西鉄が14・5ゲーム差を引っくり返して優勝したという例があるが…)

 それは分からないが、球宴前の山場という意味で、この3連戦に注目したい。特に初戦が見ものですね。ソフトバンクにすれば、初戦さえ取れば3連敗はなく、一気に縮められることはないですから。

 ソフトバンクは去年も含めてここ数年、悔しい思いをしてきている。ロッテも毎年、上位に顔を連ねるだけの地力をつけてきているし、面白い内容の試合が期待できるのではないか。

 仮にロッテが3連勝すれば、ほかのチームの闘志にも火が付くはず。パ・リーグの火を消さないという意味で、ここはロッテの踏ん張りに期待したいところだね。