(14日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会3回戦 菅2―11向上) 高校1年の5月、菅の主将小池神平(3年)は、捕手になると決めた。きっかけは、初対面で意気投合した同学年の投手、岩瀬将(3年)との会話だった。 「俺、130キロ投げられ…

(14日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会3回戦 菅2―11向上)

 高校1年の5月、菅の主将小池神平(3年)は、捕手になると決めた。きっかけは、初対面で意気投合した同学年の投手、岩瀬将(3年)との会話だった。

 「俺、130キロ投げられるよ」

 「絶対噓だ。投げられたら、俺がキャッチャーやってやるよ」

 岩瀬の言葉は本当だった。小池は中学まで外野手で捕手経験はほとんどなかったが、約束通りマスクを被ることにした。

 昨秋、本格的にバッテリーを組み始めた直後、岩瀬は県外の強豪校との練習試合で14奪三振し、一気にプロ注目の右腕となった。「将のストレートは一級品。低めビタビタに決まる球は、伸びが違う」。その実力が分かるからこそ、「キャッチャー次第」という批評を目にして、「かなりプレッシャーだった」と明かす。

 向上戦では、被安打13と打ち込まれ、序盤から失点を重ねた。それでも春4強を相手に、普段はなかなかできない併殺を決め、チームは四回には相手投手が崩れたのを逃さず、左前打などで2点を返した。

 9点を追う七回表2死、コールド目前で小池に打席が回ってきた。中飛に打ち取られて敗れ、涙があふれた。「本当に楽しかったけど、今日で最後。もっとやりたかった」

 岩瀬と家で一緒に丸刈りにした日から、2年あまり。「こんなに注目されるなんて想像もしてなかったけど、あいつと組めてよかった。将にはプロに行ってほしい」(手代木慶)